前回の記事に引き続き、Mallsoftについて。
今回の記事では、Mallsoftの名曲を聴いてみようと思います。
あなたのお気に入りはどの曲?
さっそく、聴いていきましょう。
Mallsoft 名曲探訪

「FORUM 消費者[kuluttaja]」猫 シ Corp.『ショップ@ヘルシンキ』
Mallsoftの大家・猫 シ Corp.の作品。
より深く広い残響がかなり大型のショッピングモールを連想させてくれます。
洗練されたリフとファンキーなベースラインのサンプリングループがハイクラスなモールの中で闊歩する人々の浮ついた気分と含羞、そしてわたしの孤独感と郷愁を際立たせます。
「Intrance (Realities)」식료품groceries『슈퍼마켓Yes! We’re Open』

ショッピングモール、デパート、そしたらスーパーの音楽もあるのだろうか?
そんなわたしたちの疑問を解決してくれる音楽がこちらです。
より密度が高く、カラフルな音楽はスーパーに立ち並ぶたくさんの食品や生活用品たちのイメージとして浮かび上がらせてくれます。
わたしはスーパーで買い物をすることよりもスーパーで買い物をしている人たちの中にあることが好き(そして、スーパーの音楽も!)なのですが、この作品はまさにそんな体験を提供してくれる理想的な音楽です。
「S.W.A.K.」Luxury Elite『World Class 』

Luxury EliteはVaporwaveでも最重要なアーティストのひとり。
アメリカの匿名アーティストです。
その特徴は、享楽的な夜の歓楽街や静謐とした高層ビルのオフィスをイメージさせるようなハイクラスの生活や仕事をモチーフにした音楽。
この曲もまた、都市の夜をイメージさせるような洗練されたモチーフとシックなベースライン、煌びやかなハイハットのリズムが織りなす独特の世界観があります。
モール、ではありませんが広い意味での「特別な場所」を演出してくれる音楽です。
「ファッションモード」VHS Dreams『North Point Mall』

こちらはよりローファイな音楽ですが、イメージされるのはデパートの一角、架空のファッションテナント。
ゆったりとしたテンポが、リバーブの深いスネアドラムが、夢の中のショッピングを演出してくれます。
あなたは今、服を手に取り、自分の容姿に合うかどうか、品定めをしています。
身体に服を合わせて見るのその仕草には、ある種の得意な気持ちのあらわれが内在しています。
しかし、これは夢の中。
そんな気持ちを感じたとしても、誰も笑う人はいません。
あなたは、消費を楽しむ権利があります。
「Feel the Majic」Landon Price Beats『Mallsoft Ain’t Dead ヴェイパーウェイヴ 』

Landon Price BeatsはカナダのDJ・プロデューサー、ビートメイカー。
残響は控えめで、Mallsoftにしては各音色がはっきりと前に出る演出がなされているが、不思議とMallsoft特有の没入感は損なわれることがありません。
煌びやかでメロウなリフはVaporwaveが持つ審美的な側面もしっかりと表現されています。
そして、どことなくウェストコーストサウンドのような心地よい余韻も味わうことができるんです。
お気に入りの場所を探して

いかがでしたか?
Mallsoftといっても千差万別。
さらには、曲を聴いて思い浮かべる場所も人それぞれだと思います。
デパート、郊外型のショッピングモール、スーパー、etc…
今回ご紹介したのはMallsoftというVaporwaveサブジャンルの氷山の一角。
あなたにとっての理想のモールを探してみましょう。