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自動車ディーラーを辞めた理由|元営業マンが本音で語る転職のリアル

自動車ディーラーを辞めた理由|元営業マンが本音で語る転職のリアル 仕事

自動車ディーラーの営業って、華やかに見えて実際は地獄。
毎月のノルマ、休日出勤、人間関係…。私もその環境に疲れ果て、転職を決意しました。
この記事では、元ディーラー営業の私が感じた現実と、転職で得た“人間らしい働き方”をお話しします。

自動車ディーラーの営業がマジでキツい3つの理由

自動車ディーラーの営業がマジでキツい3つの理由
自動車ディーラーの営業がマジでキツい3つの理由

自動車ディーラーの営業は、外から見ると華やかに見えるかもしれません。しかし、現場で働くとその厳しさは想像以上です。
私自身も経験しましたが、毎日の業務は数字のプレッシャーとの戦い。ノルマをクリアすることだけが評価の基準で、精神的な負荷はかなり高いものでした。
営業会社に営業として勤務している方ならお分かりかもしれませんが、営業の世界はスタンリーキューブリックの戦争映画「フルメタルジャケット」のような世界です。
事務所は訓練所、マネージャーはハートマン軍曹、そして事務所から一歩出ればそこは戦場そのものだったのです。

終わりのないノルマ、果てしない数字へのプレッシャー

月間目標や契約件数のプレッシャーは、休息やプライベートの時間を大きく侵食します。例えば、月に10件の契約を目標とする場合、1件の契約が遅れるだけで翌週の計画が狂い、残業や休日出勤が増えることも珍しくありません。
今はそんなことはないかもしれませんが、当時の私の職場には「売れてないのに休むのか」という空気すらありました。
店舗の成績が足りてないからこその台詞だとは思いますし、私自身もマネージャー見習いとなった今では、その気持ちもわからなくはないのですが、新規件数を達成した瞬間に「よく頑張った! 上積みあと3台頑張れ!」と言われた時には、絶望しました。
また、これはどんな自動車ディーラーに勤めているかにもよると思いますが、全てにノルマがあります。
新車、中古車の販売、リース、割賦、クレジットカード、保険、部品、はたまた携帯まで。売れるものはなんでも売らなければなりません。

休めない、休まらない、帰れない

展示会やイベント対応、来店客のフォロー、契約書類の処理など、日々の業務には終わりが見えません。休日も急な商談やお客さまの事故などのトラブルで対応が必要になることがままあり、家族との時間を犠牲にすることも多々ありました。
実際に私は当時、店舗休日以外の休日は少し遅めに会社に出て、少し早めに会社を出る、という生活でした。しかし、商談などで気が付いたら21時を回っている、ということもザラにありました。
さらに、私の職場では店舗休日には店舗メンバーで遊ぶことが多かったので、本当に休めることはお盆や年末年始の数日、という感じでした。それはそれで楽しかったのですが、人によってはかなりキツいと思います。
お客様や上司とゴルフや釣りに行ったり、店舗のメンバー(上司含む)とスノボや飲みに行ったり、ということがほぼ毎週行われていました。

根性論で回る職場

上司や先輩は「根性で乗り切れ」と言うばかりで、合理的な方法よりも精神力で押し切ることが求められます。若手は体力的にも精神的にも追い込まれやすく、燃え尽きる人も少なくありません。
店舗の数字が足りていないと、夜21時30分ごろまでお客様に営業促進の電話をかけることがありました。
営業活動が優先で事務処理は後回し、という風潮があったのでいつも事務処理ができるのは夜遅くの時間帯だけ。平均の退社時間は22時から23時ごろ、という状況が常態化していました。
時代も変わって今では労働環境が大幅に改善されていることを祈るばかりです。
私よりも上の世代はもっと大変だったとも聞いていますが、私の世代でも十分にクレイジーな世界でした。

自動車ディーラーの営業を辞めたいと思ったきっかけ

自動車ディーラーの営業を辞めたいと思ったきっかけ
自動車ディーラーの営業を辞めたいと思ったきっかけ

私が転職を決めたきっかけは、尊敬していた先輩の退職です。その先輩は30代前半で、まさに最後の転職チャンスを迎えていました。先輩の離職は同僚たちに大きな衝撃を与え、ほぼ全員が次のステップを考えるきっかけになったんです。

営業の世界で残るのはほんの一握り。上司たちも「なぜ続けているのか分からない」という状態でした。毎日、数字を追うだけの生活で、昇進してもやることは部下に数字を達成させることだけ。自分の成長や将来を考えると、これ以上ここに留まる意味はないと感じたんです。

もともと営業という仕事をやってみたいと思い「3年で辞める」と決めて入社した会社ですが、次のステップを考えるなら、今しかない。数字を追うだけの毎日では、経験の幅も狭く、視野を広げることはできなかったんです。

数字を追うだけの毎日。その延長線上に、自分の未来が見えませんでした。
だからこそ、同じように悩んでいる人には伝えたいんです。
「辞める」という選択肢は、逃げではなく“次に進むための決断”だと。

数字型・対人型・サポート型の活かせるスキル

数字型・対人型・サポート型の活かせるスキル
数字型・対人型・サポート型の活かせるスキル

そんな地獄のような4年間を過ごした私ですが、その中でも確実に身についたスキルがあります。
そしてそれは、転職後の仕事で間違いなく役立っています。
ですから、皆さんももし転職をするのであれば、確実に自動車ディーラーでの営業経験を活かすことができます。

転職先を選ぶ際には、自分の営業スキルをどう活かせるかを考えることが大切ですが、私が実際に転職をして感じた、身につけて良かったと思っているスキルをタイプ別にご紹介していきます。
自動車ディーラーの営業経験で活かせるスキルは大きく分けると3つのタイプがあります。

数字型

保険、不動産、証券など、数字を追うことが成果に直結する業界です。販売目標や契約率の管理など、ディーラーで培った経験がそのまま武器になります。たとえば、月に20件契約する営業ノウハウや、顧客心理を読み取る経験は、他業界でも即戦力になります。

実際に、私の先輩たちはほとんどがこの業界に転職をしています。
特に保険業界は自動車ディーラーでの保健募集の経験がそのまま活かせるので、ヘッドハンティングも多く、多くの人が保険業界へ転職していきます。

「とにかく営業が好き!」「もっと自分の営業スキルを突き詰めたい」という数字型のスキルを洗練させたい方にはおすすめの業界です。

営業スキルを磨き続けたい方は、こちらの記事もおすすめです。
実際に異業界で営業効率化を実践してきた内容をまとめています。

対人型

教育、人材、小売、介護など、人と長く関わる力が活かせます。顧客や利用者との信頼関係構築、コミュニケーション能力は重宝されます。私自身はこのタイプに近く、顧客や同僚との関係性を大切にしながら提案やサポートを行う仕事が向いていました。

特に自動車ディーラーは、「売る」という単発の行為に目が向けられがちですが、実際には一人のお客様やさらにそのご家族、または会社全体などとの信頼を構築して、末長くお付き合いをしていくビジネスモデルです。
そこで培われる長期的な信頼構築のスキルは、多くの職業で活かすことができます。

「お客様と長く付き合いたい」「人と関わることが好き」という傾向があり、対人型の信頼構築のスキルを持った方にはおすすめの業界です。

対人型の方は、長期信頼構築型営業に必要なスキルの記事もぜひご一読ください。

サポート型

BtoB営業、コンサル、提案職など、相手の課題を見つけ、解決策を提案する力が求められます。ディーラーで培った課題発見力や提案力は、このタイプの職種で存分に活かせます。
自動車ディーラーの営業では、相手のニーズや課題を総合的にコンサルティングする能力も鍛えられます。
例えば、個人のお客様であれば、そのライフスタイルに合わせた提案を行いますし、法人のお客様であれば、利用用途に合わせた提案が必要です。さらに、個人法人問わず、ファイナンスの知識も必要となります。
そのため、上記のようなトータル提案ができる業種に非常にマッチしていると私は感じています。

実際に私の先輩も提案型営業の職についている人もいます。

「問題を深掘りして解決に導きたい」「トータルでお客様のニーズに応え、課題を解決したい」というサポート型のスキルをに注力したい方にはおすすめの業界です。

サポート型の方は、私のBtoC営業からBtoB営業への転換での失敗談の記事もぜひご一読ください。

転職して感じたギャップ

転職して感じたギャップ
転職して感じたギャップ

実際に転職をして、新しい会社で私が感じたギャップを3つ紹介します。
会社によって、その風土や制度も千差万別。
自分が井の中の蛙であったことを痛感しました。
しかし、転職しなければ良かったとは考えたことはありません。
もちろん、自動車ディーラーの営業はかなり過酷な環境でもありましたが、そこで得られたものも多く、そして何より辛い分だけ楽しいこともあったと思ってもいるのですが、それ以上に良かったことがたくさんありました。

給料

最初は前職より低くて驚きましたが、経験を積めば転職前の給与を上回ることも可能です。重要なのは、短期的な給与よりも長期的な成長やスキル習得の環境を重視することです。

給料については、正直かなり下がりました。
自動車ディーラーは給料におけるインセンティブの比重が高いので、成果を挙げただけ給料として即座に跳ね返ってきます。
そのため、私は20代にしては比較的高めの給料をもらっていました。
だからこそ、私は一般的に給料が低いといわれている介護業界の会社に転職した最初の年は、愕然とするような給料であったことは本当のことです。
しかし、そこから徐々に給料も上がり、またチャレンジングな姿勢を評価してくれる会社にいるため、今では前職以上の給料をもらうことができています。

人間関係

売上至上主義の世界から、人によって働き方が違う環境に移りました。働くペースや価値観の違いはありますが、自動車ディーラー出身者は高いスキルを持っているため、周囲との差別化がしやすい環境でもあります。

正直いうと、少し苦労した部分もあります。
それは、「成果=正義」という概念が通用しないことです。
もう少し詳しくいうと、自動車ディーラーおよび営業会社に営業として勤務している人であれば、「予算の達成のための行動」が正義であり、そのためには「営業所員」が一丸となって取り組むべき最優先度のものであることは、皆さん当たり前のように感じていると思います。
しかしそれは当たり前ではありませんでした。
特に大きな会社で現場に近くなればなるほど、その傾向は強くなります。関わる人とその考え方が多様であればあるほど、この傾向は強くなるものだと感じました。
もちろん、どんな会社に入るかによっても違うと思いますが、その会社のカラーに自分を溶け込ませるのか、自分の姿勢を貫くのか、などで少し苦労した部分もあります。
しかし、それは逆にいえば、「成果に結びつく行動」をしっかり実行できる人は意外に多くないということです。そういった意味では、皆さんがしっかり狙い澄まして選んだ転職先で活躍できることはほぼ間違いがないともいえるでしょう。

得られたもの

人間らしい生活、広い視野、副業の開始(ライティングなど)、そして自分の時間を持てることのありがたさを実感しました。精神的な余裕が生まれることで、仕事のパフォーマンスも向上しました。

得られたものは本当に多いです。
まず、転職するまでは一日いちにちが戦いであり、「どう成果を挙げるか」ということを中心に生活していました。
しかし転職してからは、休みの日にはしっかり休み、しかし仕事も集中して行うことができ、さらにさまざまな経験をすることができました。
これは転職したからこそ得られた経験です。

動き出す一歩が、未来を劇的に変える

動き出す一歩が、未来を劇的に変える
動き出す一歩が、未来を劇的に変える

自動車ディーラーで長く活躍できる人材は、一握りです。そして皆さんが本当に活躍できる職場を見定めるのは、まだ早すぎます。若いうちに経験を積み、営業や信頼構築のスキルを活かせる転職先で、新しい武器を手に入れましょう。やりたいことは、できるうちに挑戦することが大切です。

自動車ディーラーからの転職先で、営業スキルが活かせる業種や、車業界以外の仕事を探すときの参考にしてください。転職の判断は早すぎることはありません。動き出す一歩が、皆さんの未来を劇的に変えるはずです。焦らず、しかし迷わず、行動する勇気を持ってほしいと思っています。

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