今回は箱根旅行番外編。
箱根湯本駅のアーケード街を散策していたときに出会った、昆布の長寿館さん。
昆布の長寿館さんが昆布にかける情熱と昆布の魅力についてのお話を伺いました。
箱根湯本駅前のアーケードにとろろ昆布を試食させてくれるお店が

箱根湯本駅から川沿いに連なる、アーケード街を散策していた時のこと。
老舗のお土産屋さん・吉田本店の一角に何やら不思議なスペースが。
そのスペースは、木で出来た番台のような格好で、電話ボックスのようなかたち。
そして、その電話ボックスのような、番台のようなものの上に、何とおじさんがあぐらをかいて座っているのです。
何だろうと思ってのぞいてみると、おじさんはたくさんの板状の何かと、ふわふわしたものに囲まれています。

「食べって!」
とおじさんから声をかけられ、差し出された手のひらの上にのっていたのは、そう、とろろ昆布。
わたしの両親は九州出身なので、小さな頃から見慣れたとろろ昆布。
小さな頃は好きではなかったけれど、たくさんの板状の昆布そのものとふわふわとした削り昆布に囲まれた、まるで昆布の妖精のようなおじさんから勧められると、断るわけにはいきません。
美味い! 削りたての昆布たち

意を決して食べてみると、めちゃくちゃ美味い!
とろろ昆布って、こんなにも美味しかったんですね。
控えめな酢っぱさと凝縮された昆布の甘みと旨味が口の中いっぱいにふわっと広がるんです。
はじめに試食させてもらったのは、「むき込みおぼろ」1,200円(税込)。
おぼろ昆布は、職人が一枚いちまい手作業で薄く削り上げる昆布。
今では削ることができる職人は少なくなってしまっているそうです。

続いて、「長寿館とろろ」1,200円(税込)を試食。
こちらは、ザ・とろろ昆布のお味なんですが旨味が段違い!
とろろ昆布を食べると、うどんを食べたくなりますね。
そしてラストは、「雪とろろ」800円(税込)。
こちらは一番昆布の旨味がギュッと詰まっていて、お酒のアテになりそうな逸品!

昆布の長寿館さんは、昆布にまつわる歴史や豆知識を、いろいろと話してくれます。
そんな話を聞きながら試食する昆布はいっそう美味しく感じます。
なんでもおじさんは、昆布の魅力に惹かれてこの世界に入ったんだそう。
そして、おぼろ昆布を削ることができる職人が少なくなっていることを憂いているそうです。

こんな素敵な昆布が今後食べられなくなってしまうのは、悲しいことですね。
おじさんと昆布の未来を、応援したくなりました。
箱根へお出かけの際は、ぜひ吉田本店さんと昆布の長寿館さんを訪ねてみてくださいね!
昆布の長寿館
