単身赴任をしていると、夫婦の距離について考えることが増えます。
物理的には離れて暮らす生活。
会えるのは帰省したときだけ。
単身赴任を始めたばかりの頃、私は妻と毎日のように電話やビデオ通話をしていました。
でも正直に言うと、最初は少し面倒に感じていたんです。
仕事が終わって帰宅し、ようやく一人の時間ができたところでスマホが鳴る。
「今からテレビ電話できる?」
疲れている日ほど、少しだけため息が出ることもありました。
それでも単身赴任の生活が続く中で、少しずつ自分の感覚が変わっていったことに気づきます。
離れて暮らしているのに、むしろ心の距離は近くなったような感覚が生まれてきたのです。
距離が生むリアルな感覚
単身赴任を始めたばかりの頃、電話の時間はどこか義務的に感じていました。
「今日どうだった?」
「普通かな」
そんな短いやり取りで終わる日もあります。
同じ家で暮らしていた頃は、わざわざ電話をしなくても夕食のときや寝る前に自然と会話がありました。
でも離れて暮らすと、会話は意識しないと生まれません。
「ちゃんと話さなきゃ」
「何か話題を作らないと」
そんな気持ちになってしまい、逆に疲れることもありました。
小さな変化に気づいたのは二ヶ月目だった
単身赴任を始めて二ヶ月くらい経った頃、少しだけ自分の感覚が変わっていることに気づきました。
妻とは毎日、LINEのビデオ通話をしています。
最初の頃は
「また電話か」
と思うこともありました。
仕事が終わって帰宅すると、ようやく一人の時間。
そこでビデオ通話が始まると、自分の時間が減るような気がしていたからです。
でも今は少し違います。
テレビ電話をつないだまま、それぞれ家事をしたり、料理をしたりする。
会話が途切れても気にしません。
他の人から見ると少し変なスタイルかもしれません。
でも今の時代だからこそ、離れていても日常を共有できる生活がある。
そう感じています。
自分から電話するようになったきっかけ
単身赴任二ヶ月目の頃、正直かなり疲れていました。
仕事もうまくいかない。
生活リズムもうまく整わない。
料理もうまく回らないし、家事も慣れていない。
そんな時期でした。
その頃から、自分の生活を少しずつ改善しようと思うようになりました。
料理のこと。
洗濯のこと。
家事のちょっとしたコツ。
「これどうやるんだっけ?」
「この料理どう作るの?」
そんなことを妻に聞くようになったんです。
気づけば、自分から電話をかけることが増えていました。
離れて気づいたこと
一緒に暮らしていた頃、正直そこまで妻のことを深く考えることはありませんでした。
同じ家にいるのが当たり前。
会話するのも当たり前。
でも単身赴任で離れて暮らすようになってから、少しずつ変わりました。
「今頃何してるかな」
「今日は忙しいのかな」
そんなふうに相手の生活を想像することが増えました。
同じ家にいると気づかなかったことも、離れてみて初めて見えることがあります。
物理的距離は離れていても、心の距離はむしろ少し近くなった。
そんな感覚があります。
離れていても共有できる日常
最近は、料理をしながらビデオ通話をつないでいることがよくあります。
お互いキッチンに立って、それぞれの料理を作る。
「今日は何作ってるの?」
「ちょっとチャレンジしてみた」
そんな会話をしながら、出来上がった料理を画面越しに見せ合います。
特別なことではありません。
でも、その時間が不思議と楽しい。
単身赴任を始めた頃は、電話の時間を少し面倒に感じていたこともありました。
それが今では、一日の中で自然に訪れる日常の時間になっています。
いつか同じテーブルで食べてもらいたい
単身赴任を始めてから、料理をする機会が増えました。
最初は簡単なものばかりでしたが、少しずつできることも増えてきました。
その中でも今一番自信があるのが、ベシャメルソースから作った鶏もも肉とほうれん草のクリーム煮です。
ビデオ通話をつないだまま料理をしていると、
「それ火強すぎじゃない?」
「そのタイミングで牛乳入れるとダマになるよ」
そんなアドバイスをもらうこともあります。
出来上がった料理を見せると、「それ美味しそうだね」と言ってくれる。
それだけでも少し嬉しい。
でも同時に、こう思います。
本当は同じテーブルで食べてもらいたい。
画面越しではなく、ちゃんと皿に盛って、実際に味を見てもらいたい。
だから次に帰省したときの小さな目標があります。
このクリーム煮を妻に作ってあげること。
単身赴任をしていなければ、きっとここまで料理をすることもなかったと思います。
距離ができたからこそ気づいたこと。
そんな生活の変化も、今は悪くないと感じています。
